更年期になると不安感を感じる、などの言葉は良くいただきます。
実は何を隠そう私も更年期にひどい不安感を感じました。今もたまに不安感や焦燥感・またやる気がでないなどの気持ちに襲われることがあります。
しかし、それでも「大丈夫」と思えるのは自分なりにそれを乗り越えた経験があるからだと思っています。
もしこの更年期の不安感を乗り越えた体験がどなたかのお役に立てればと思ってNHKのあさイチやフォーブスジャパンでもご紹介いただきました更年期女性向けのプログラムを提供している筆者がブログを書きました。
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<目次>
3.更年期に不安が出る理由 4.更年期に不安が出やすい人の特徴 5.更年期の不安に対する治療法 6.これを知るだけで不安に対しての認識が変わった 7.更年期に不安を感じた時に実際やっていて効果を感じたこと 8.更年期に自分の不安とどう向き合うか
1.更年期/更年期障害とは
更年期とは、閉経を挟んで前後10年の時期のことを指します。卵巣機能が衰退しはじめ、消失する時期にあたります。
閉経の平均年齢は約50歳なので、標準的には大体45歳~55歳が「更年期」ということになりますが、閉経年齢には個人差があるため、早い人は40代前半で更年期に差し掛かることもあります。
更年期障害は、エストロゲンの分泌が急激に減少することによって起こります。
初経、妊娠・出産、閉経といった女性特有の体の働きを支配しているのが卵巣から分泌される女性ホルモン、とくに卵胞ホルモン(エストロゲン)です。エストロゲンは40歳頃より低下しはじめ、更年期障害はこのエストロゲンの分泌が急激に減少することによって起こります。
脳の視床下部にある自律神経中枢に影響を及ぼして自律神経失調症を引き起こします。
主な症状としては
①血管拡張の放熱に関係する症状
ほてり・のぼせ・ホットフラッシュ・発汗など
②それ以外の身体症状
めまい、動悸、胸が締め付けられるような感じ、頭痛、肩こり、腰や背中の痛み、関節の痛み、冷え、しびれ、疲れやすさなど
③精神症状
気分の落ち込み、意欲の低下、イライラ、情緒不安定、不眠など
更年期障害の特徴の一つは症状が多彩なことですが、これらが他の病気による症状ではないことを確認する必要があります。
2.更年期の不安とは
更年期の症状としてよく表れる症状のひとつに、不安感があげられます。
特別な理由も無く暗い気持ちになったり、以前は興味があったものに関心が無くなったり、
不安で落ち着きが無いといった症状が出現します。
更年期のメンタルの影響とメンタルケアについてはこちらにも詳しくお伝えしておりますので是非ご確認ください
3.更年期に不安が出る理由
女性ホルモンの変調が律神経症状をはじめ精神神経症状などを引き起こします。
また、この年代の女性を取り巻く家庭や社会環境の変化からくる心理的ストレスが大脳皮質・大脳辺縁系に影響を与え、憂うつや情緒不安定などの精神症状を引き起こします。
この自律神経失調症状と精神症状が相互に影響し合って、更年期障害の病状を複雑にしています
4.更年期に不安が出やすい人の特徴
更年期の時期、女性ホルモンの急激な減少は誰にでも起こりますが、どんな症状がどのように起こるか、その深刻さは人それぞれです。
そこには、女性ホルモン減少だけでなくその人の性格や感性、ストレス耐性、その人のおかれている家庭環境や社会的な立場、経済問題なども影響すると考えられます。
例:きまじめ、断れない、責任感が強い、限界までがんばる、などの性格や感性を持った人
子供の巣立ち、夫との関係、親の介護、経済問題、人間関係の変化など
大きな変化を迎えた人
5.更年期の不安に対する治療法
日常生活に支障をきたすほど症状がひどい場合は、そのほかの不安障害に該当する場合もあるので、更年期だからと我慢せず専門の医師に相談してみましょう。
不眠、不安、緊張、抑うつなどの症状がみられる場合には、睡眠薬や抗不安薬を使われることがあります。
また、漢方などを処方される場合もあります。
6.これを知るだけで不安に対しての認識が変わった
ところで皆さんそもそも「不安を感じやすい」ことや「ストレス」は「悪いことだ」という認識はありませんか?
実は
「不安を感じやすい」ことは体の防衛反応のひとつで、不安を感じているときは細かな懸念点に注目がいくので、対策がしやすくなるという効果があります。
他方、不安やストレスに関しても不安やストレスを感じること自体が悪ではないということがわかっています。
これはリスボン大学の研究ですが、段階的に難しくなるゲームをしてもらい、邪魔をされるなどのプレッシャーを与えられた人たちのスコアを調べました。
ストレスを感じたグループの中で、「不安やストレスからエネルギーを与えられる」と教えられたグループはスコアが平均よりもあがり、ストレスが与えられなかったグループよりもスコアが上がりました。逆に不安やストレスの効果を知らずにストレスを与えられてゲームをしたグループはスコアが一番低かったのです。
リスボン大学の研究より
また驚くことに、スコアが上がったグループは課題をこなしても疲れが少なかったこともわかりました。
リスボン大学の研究より
つまり、「ストレス」や「不安感」そのものが「悪」なのではなく、その「ストレス」や「不安感」をどのように自分自身の成長に結びつけられるかということが大切なのです。
不安やストレスが体に悪いと感じていた人たちは「コルチゾール」というストレスホルモンが増加したのですが、
不安やストレスが自分に与えられた乗り越えるべき試練だとして取り組めた人は「デヒドロエピアンドロステロン」という幸福感や免疫力を高めるホルモンが増加したことがわかりました。
不安やストレスは二面性があり、不安やストレスは悩みともリンクしつつ、幸福感や満足度ともリンクしているのです。
人は、ストレスをゼロにすると悩みはなくなりますが、幸福度もなくなってしまうことがわかっています。
ですから、ストレスそのものを軽減するのではなく、ストレスのネガティブな部分を軽減するという考え方が大切です。
7.更年期に不安を感じた時に実際やっていて効果を感じたこと
私が感じる不安には大きく2種類あります。
①変化が訪れようとしている時
例:明日大切なプレゼンがある
②漠然とした不安
例:将来どうなるんだろう
その中でも①の変化が訪れようとしているときは特に「不安やストレスは悪いものではない」と意識しているようにしています。特にチャレンジしようとしている時には不安やストレスはつきもの。
不調の時に仕事に行く、子供の学校に行く、ということは「チャレンジしている」ということなのです。
でも、そういう場に身を置けている、ということがラッキーだと考え方を切り替えています。
また、逆に親の介護など一見ネガティブに思える事が出てきたときは「新たな経験やチャレンジが生まれている」と考えるようにしています。
②の漠然とした不安の場合は
不安をできるだけ「具体的に書き出してみる」のです。
将来の何が心配?
子供の教育費?将来の医療費?
自分の不安の解像度を落としていきつつ、それがどれくらい現実的なのか、対策は何なのか、などを書いていくようにしています。
8.更年期に自分の不安とどう向き合うか
更年期に自分の不安と正しく向き合うと、不安は軽減されます。問題は不安なのではなく、不安をどう捉えてどのように行動するか、を必ず紙に書き出すなどアウトプットするのです。
アウトプットなしで過ごすと、頭の中で同じような考えをグルグルしてしまって、眠れなかくなったり余計ストレスを抱えてしまいます。
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