更年期にパニックを起こすようになった、更年期前からパニック障害があったけど更年期をきっかけにひどくなった…筆者は年間500件近くのご相談をいただくのですが、パニック障害についてのご相談をよくいただきます。
一番大事なのはまず医療にかかることなのですが、追い詰められていると冷静な判断ができないのもこの時期の特徴になります。
今日はそんな方のためにブログを書きました。
更年期とは…更年期障害とは
更年期とは、卵巣機能が減退し始め、消失するまでの時期にあたるとされ、一般的には閉経の前後10年間をい います。
更年期障害は女性ホルモンの変化により自律神経中枢に影響を及ぼすために発生すると考えられています。
更年期障害の症状は自律神経失調から生じた多彩な症状を呈する不定愁訴で、大きく4つの種類に分けられます。
1.血管運動神経症状
ホットフラッシュ(のぼせ、ほてり、発汗など)、手足の冷え、動悸など
2.精神神経症状
易怒性、焦燥感、憂うつ感、不眠、頭痛、めまいなど
3.知覚神経症状
手足のしびれ、手足の感覚鈍化など
4.運動器官への症状
易疲労感、肩こり、手足の痛み、腰痛など
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パニック障害とは
突然理由もなく、動悸やめまい、発汗、窒息感、吐き気、手足の震えといった発作(パニック発作)を起こし、そのために生活に支障が出ている状態をパニック障害といいます。
このパニック発作は、死んでしまうのではないかと思うほど強くて、自分ではコントロールできないと感じます。そのため、また発作が起きたらどうしようかと不安になり、発作が起きやすい場所や状況を避けるようになります。とくに、電車やエレベーターの中など閉じられた空間では「逃げられない」と感じて、外出ができなくなってしまうことがあります。
パニック障害では薬による治療とあわせて、少しずつ苦手なことに慣れていく心理療法が行われます。無理をせず、自分のペースで取り組むことが大切です。周囲もゆっくりと見守りましょう。*2
また、パニック障害には次のような症状が伴う場合があります。
予期不安
また発作が起こるのではないのか、という不安をいつも感じて発作のない時にも次の発作を恐れるようになることです。ひどい場合はこの予期不安で仕事をやめるなどに至ります。
広場不安
そこに行くと発作が起きそうな気がするような場所です。苦手な場所は駅、電車、飛行機、美容院など人によって様々です。外出が怖い、などもあり得ます。
こういった場合仕事や日常生活に支障が出てきてしまいます。
更年期にパニック障害を起こす人が多いワケ
「パニック障害」は、脳内ホルモンであるノルアドレナリンとセロトニンのバランスが崩れるためにおきると考えられているが、詳しいことはわかっていません。日常生活のストレスや過労、睡眠不足などが発作の誘因となることが知られています。
更年期は、自身の体調不良、子供の進学、子供の巣立ち、夫の定年、両親の介護、仕事の責任など、一生のうちで精神的、環境的にさまざまな変化に見舞われる時期と重なり、その精神的な負担は大きいものです。
こういった環境の変化によるストレスはイライラや不眠、うつ病に移行する時期でもあるため、パニック障害を起こしやすい時期にもなります。
更年期のパニック障害は何科で治療?
パニック障害の疑いのある方は精神科や心療内科の受診がおススメです。更年期で婦人科を受診されてもパニック障害と判断された場合は精神科や心療内科の受診をすすめられることが多いようです。
また軽い症状であっても早めの受診がおススメです。早く受診するほど治りも早く、重症化を防ぐことができるからです。
多くの方は心療内科や精神科の受診を躊躇されます。しかし、早く受診をした方が治りも早く、重症化を防ぐこともできます。
心療内科や精神科は脳の誤作動を治療していくための科になります。決してあなたが精神的に弱いわけでも人間的に問題があるわけでもありません。
胃が痛くなったら胃腸科で治療するのとなんら変わりはありません。
また、パニック発作は心筋梗塞などの症状に似ています。そういった可能性を排除していくことも大事になります。
更年期の精神症状に使われる漢方
漢方が使われるのはどんなとき?
ご本人の症状が楽になるように西洋薬と漢方薬を併用したり、精神的な不調を訴えていて向精神薬の内服に抵抗がある人にも漢方薬を処方したりするケースなどがあります。
また眠くなりにくい、依存性が出にくい、というメリットから処方されることもあります。
他方、西洋薬に比べて即効性がない、味やにおいが独特で飲みずらいと感じる人がいる、などのデメリットもあります。
更年期の精神症状に使われる漢方
●半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう):
不安感や緊張感・イライラ・抑うつ・不眠・神経性の動悸等の症状に効果があるとされています。特に不安症状で喉の詰まったような感じ、喉が圧迫されるような感じがある時によく使うためパニック障害の治療に使用されたりします。
●酸棗仁湯(さんそうにんとう):
昔から睡眠薬として使われ精神を落ち着かせ、安らかに眠りを誘う働きがある。思い悩んで眠れないタイプの不眠症に適しており一日数回服用する。
●加味逍遙散(かみしょうようさん):
冷えのぼせ・生理不順・更年期障害等に用い、自律神経失調に伴う不安・不眠・イライラ等の症状と肩こり・頭痛・頭重・上半身の熱感・下半身の冷え等の症状を和らげる。女性の精神神経症状に効果があり。
*実際の漢方の処方につきましては、他の薬の併用状況や現在の体調含め、主治医とよく相談の上ご決定ください。
状況によっては西洋薬を主治医からすすめられる場合があります。その際は主治医の指示に従いましょう。
更年期のパニック障害 受診以外に大切なこと
パニック障害の治療目的は
①パニック発作を起こさないこと
②予期不安や広場不安もできるだけ軽減させる
ことにあります。
治療には薬物治療に加えて精神療法の併用が重要になってきます。
また、辛い思いを気軽に話せる場所を持っていたり、家族に理解してもらう事もとても重要です。
自分の辛さを吐き出す場所がない
家族になかなか自分の辛さを理解してもらえない
そんな方には「よりそる」といサービスがおススメです。
こちらはLINEプログラムになります。
主な機能は
・1日5分のLINEの利用で心身を楽にする習慣を身に着ける
・自身の体調の記録を行い、変化を知る
・パートナーと利用することでご自身の状況を知ってもらいパートナーにケアしてもらう
・月最大5回のカウンセリングを利用することで辛さを吐き出す場を持つ
になります。もちろんお一人で利用することも可能です。
更年期をきっかけに辛い思いを抱えている方に多数ご利用いただいております。
ご興味がある方はコチラからチェックください。
*1 磐田市立総合病院 WEBより
*2 厚生労働省 みんなのメンタルヘルス
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