更年期はあらゆる症状が出るのですが、そのうちでも周囲に一番影響がでるのがイライラやうつなどの精神症状でしょう。そういった時に周囲が対処法を理解していると回復の大きな手助けとなります。
なぜなら精神症状が出ている場合本人が冷静に対応できないことが多々あるからです。
年間500件ものの更年期カップルの相談に乗る中で、うつの投薬治療を行っているご相談者は約2割。
現在も当事者からもそのパートナーからもご相談をいただいています。
今日はそんな筆者が更年期うつの妻への接し方についてお伝えします。
更年期うつの原因
1.女性ホルモンの低下
女性のからだでは、卵巣でエストロゲンという女性ホルモンが作られています。エストロゲンはリラックス効果・幸福感の源であるセロトニンという幸せホルモンの分泌を促進します。
更年期にはエストロゲンが閉経とともに少なくなってしまうことで、このセロトニンの分泌も減ってしまい、結果として気分が落ち込むといった抑うつ症状が出てきます。
2.生活環境の変化
更年期は、女性の人生の中で変化が重なることが多い時期でもあります。お子さんの進学・不登校・独り立ちや、会社勤めを続けられている方は重要なポストを任されたりする時期にあたります。
また時に介護が重なる場合も。女性ホルモンの変動期にストレスが重なることが要因になる場合もあります。
更年期うつの症状
更年期うつの症状の代表例としては以下のものがあげられます。
憂鬱である、気分が落ち込む
物事に対する思考力の低下、集中力の低下を感じる
物事に対してほとんど興味がない、または楽しめない
疲れやすい、または気力がない
自分自身の存在に価値がない、自分自身が悪いと責めてしまう
寝つきが悪く途中で目が覚める、または逆に眠りすぎる
あまり食欲がない、または食べ過ぎる
また、周囲の人が気づく症状としては
・これまで楽しんでやっていたことに興味を示さなくなる
・家事などこれまでできていたことが疎かになる
・睡眠状況を聞くと「よく眠れない」などと答える
などの変化になります。
更年期うつの基本的な治療方法
更年期うつの代表的な治療法は下記のとおりです
1.ホルモン補充療法 これは婦人科で処方されます。
2.漢方療法 婦人科で処方される場合もありますし、漢方専門医でも良いでしょう。漢方の専門医の方が漢方については詳しいことがあります。
3.カウンセリング療法 こちらは主に心療内科や精神科になります。
4.抗うつ剤 こちらも主に心療内科や精神科になります。
1・2でうまくいかない場合は心療内科や精神科の受診を医師から勧められる場合があります。
どれが良い、というのはなく、その人の症状によってどれが合うかを見つけていくのがこの時期の治療方法になっていきます。
隣の奥さんに効果があった治療法が必ずしも自分のパートナーに効果があるとは限らない、というのが更年期治療の難しいところです。
また、治療だけではなく生活も変えていく必要があります。
十分な睡眠、バランスの良い食事、適度な運動などが回復を早くしてくれます。
治療で少し動けるようになったらこういったことを家族全体でも意識して協力しながらやっていきましょう。
時に夫婦で散歩に出かけるなど一緒になって体を動かすこともおススメです。
更年期うつの妻への接し方
更年期うつの症状として、疲労感で動けなることがあります。実際に私も同じような経験をしましたが
夫に「やる気がない」って言われることが当時一番つらかったことを今でも覚えています。
本人も「やりたいのにできない」という気持ちがあるので、「どうしてできないの?」「もっとがんばれ」などは絶対言われたくない言葉です。
ここまでしんどいのに頑張ったから限界が出ている、というのが今の状態だと思ってください。
他方、何も知らなければ夫は嫌がらせのように感じるでしょう。ある日突然この不調がやってきて夫に家事の多くがのしかかってくるのですから…
だからこそ、まず知っていただきたいのは「更年期は女性に不調が出る時期であり、夫や家族に愛情がなくなったわけではない」ということです。
ただ同時にこの時期男性も仕事が大変な時期に重なっている人も多く、妻の状況に追いつめられる方もおられます。
ですから「妻の性格」と捉えるのではなく、少し冷静に「病気」として受け止めることが必要になってきます。
更年期うつの当事者・家族の強い味方
当社では更年期の時期に夫婦で利用していただけるサービス「よりそる」を提供しております。
日々の女性の体調の共有やこの時期必要なコミュニケーションのサポートを行っております。
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また必要に応じでラインを通じでカウンセリングも行っております。
NHKあさイチさんやおはよう日本でもご紹介いただきました。
男性側から促す場合は是非「あなたのケアをしていきたいから」とお伝えいただければと思いますし、ご自身でお伝えになるのが難しければ当社からパートナーに利用を促すことも可能です。
もしよければこちらのリンクをパートナーにお見せになっていただき一緒に使うことをご検討いただければと思います。
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まとめ
更年期うつは正しい手順を踏んでいけば必ず良くなります。そこには家族の協力が必要になります。
誰かと比較することはやめましょう。症状の期間や深刻さはひとそれぞれです。「自分の母親はこんなことなかった」「職場でこういう人はいない」というのは地雷になります。
あくまで、あなたのパートナーがどういう状況か、という観点で見守ってください。
あと、妻の病状に一喜一憂もしないようにしましょう。更年期のうつは長期で時間がかかる場合もあります。
不調に陥った時に落胆したあなたの姿を見るとパートナーは焦ってしまって却って悪化する場面もありました。ですから、少し気長にこのプロジェクトに取り組んでください。
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