更年期女性の高血圧対策|専門家が教える血圧管理のすべて
- 高本 玲代
- 9 時間前
- 読了時間: 15分

あなたの「ちょっと血圧が高い」は危険なサインかも
「健康診断で『血圧が高めですね』と言われたけど、自覚症状もないし大丈夫だろう」「更年期に入ってから、なんだか体がだるくて…これって血圧のせい?」
40代、50代の女性の3人に1人が抱える高血圧問題。実は更年期の女性は、ホルモンバランスの変化によって、急に血圧が上昇しやすくなることをご存知ですか?
自覚症状がほとんどないからこそ「サイレントキラー」と呼ばれる高血圧は、放っておくと脳卒中や心筋梗塞のリスクを3倍以上も高めてしまいます。
3000件以上の更年期女性の健康相談に携わってきた専門家として、今日は「血圧が気になり始めた」あなたに知ってほしい本当に効果的な対策をお伝えします。
薬に頼らず、今日から始められる生活習慣の改善法から、更年期女性ならではの血圧管理のコツまで、すべてを網羅的に解説。
この記事を読み終わる頃には、あなたの血圧管理に対する不安がきっと軽くなっているはずです。
(更年期血圧の正常値とはでご興味がある方は血圧の正常値についてご覧ください)
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更年期女性の高血圧の特徴とリスク

なぜ更年期に血圧が上がりやすいのか?
更年期を迎える40代後半から50代にかけて、女性の体では大きな変化が起こっています。
特に注目すべきは、女性ホルモンであるエストロゲンの急激な減少です。エストロゲンには血管を柔らかく保ち、血圧を調節する働きがあるため、その分泌量が減ることで血圧が上昇しやすくなります。
また、更年期特有の症状として現れる「ほてり」や「発汗」は、自律神経の乱れを引き起こし、これが血圧の変動を大きくする原因にもなります。
3000件以上の更年期女性をサポートしてきた経験から言えるのは、この時期の血圧上昇を「年のせい」と放置するのは非常に危険だということです。
更年期高血圧が招く「隠れリスク」

高血圧は「沈黙の病気」と呼ばれるように、初期段階ではほとんど自覚症状がありません。しかし、血圧が高い状態が続くと、確実に血管に負担がかかり、以下のような深刻な合併症のリスクが高まります:
脳卒中リスクの上昇:収縮期血圧が10mmHg上昇するごとに、脳卒中のリスクが20-30%増加
心臓病の危険性:高血圧は心筋梗塞や心不全の主要な原因の一つ
認知機能の低下:長期間の高血圧がアルツハイマー型認知症のリスクを高める可能性
腎機能の低下:高血圧が続くと腎臓の濾過機能が損なわれる
更年期女性の場合、これらのリスクに加え、骨粗鬆症や糖尿病など他の生活習慣病を併発しやすい点も注意が必要です。
更年期女性の「血圧の変動」に要注意
通常、血圧は1日の中で変動しますが、更年期女性の場合、この変動が特に大きくなりがちです。
朝の血圧が急上昇する「モーニングサージ」や、夜間の血圧が下がらない「夜間高血圧」など、特徴的なパターンが見られることがあります。
また、ストレスや温度変化に対しても敏感に反応しやすく、冬場の急激な寒さや夏場の脱水にも注意が必要です。
3000件以上のカウンセリング経験から、更年期女性の血圧管理では「平均値」だけでなく「変動幅」にも注目することが重要だと実感しています。
更年期女性のための血圧測定のコツ

家庭で正しく血圧を測る方法
「病院で測ると緊張して血圧が上がってしまう」という声をよく耳にします。実は、家庭でリラックスして測った血圧の方が、実際の健康状態をより正確に反映している場合が多いのです。
更年期女性のための正しい血圧測定のポイント:
測定タイミング:朝(起床後1時間以内で朝食前)と夜(就寝前)の1日2回が理想的
測定前の準備:トイレを済ませ、1-2分安静にしてから測定
姿勢:背もたれのある椅子に深く腰掛け、腕は心臓の高さに
記録の重要性:日々の変動を把握するため、必ず記録を残しましょう
血圧手帳の活用術
3000件以上の更年期女性をサポートしてきて気づいたのは、血圧を記録している人は治療の効果が出やすいということです。
おすすめは「血圧手帳」をつける習慣。単に数値を記録するだけでなく、以下のような情報も一緒にメモしておくと良いでしょう:
その日の体調(頭痛、めまいなどの有無)
睡眠の質(よく眠れたかどうか)
ストレスレベル
月経周期(閉経前の場合)
これらの情報は、血圧の変動パターンを理解し、更年期症状との関連を把握するのに役立ちます。
血圧計の選び方
市販の血圧計にはさまざまなタイプがありますが、更年期女性におすすめなのは「上腕式」の血圧計です。
手首式に比べて測定誤差が少なく、より正確な数値が得られます。
また、最近ではスマートフォンと連動して自動で記録してくれるタイプも便利です。
血圧計を選ぶ際のチェックポイント:
日本高血圧学会の精度認証を受けているか
記録機能が充実しているか
操作が簡単で使いやすいか
更年期女性のための食事療法
減塩の「新常識」~無理なく続けるコツ~
「減塩=味気ない食事」と思っていませんか?実は、3000件以上の更年期女性にアドバイスしてきた経験から、無理のない減塩こそが長続きの秘訣だとわかっています。
日本高血圧学会では1日6g未満の塩分摂取を推奨していますが2、いきなり厳しい目標を設定する必要はありません。
更年期女性のための減塩ステップ:

まずは現在の塩分摂取量を把握(外食1回で約5gの塩分を摂取している場合も11)
調味料を「かける」から「つける」に変えるだけでも20%減塩可能11
だしやスパイス、酸味を活用して味に深みを出す
特に更年期女性に意識してほしいのは、加工食品やインスタント食品の塩分量。例えば、カップラーメン1杯には5-6gの塩分が含まれており、1日分の塩分量を一食で摂取してしまうことになります。
血圧を下げる「スーパーフード」10選

3000件以上の更年期女性の食生活を分析してわかった、血圧管理に特に効果的な食材をご紹介します:
そば:ルチンが血管を強化
イカ・タコ:タウリンが腎機能をサポート
バナナ:カリウムがナトリウム排出を促進
緑茶:GABAとカテキンのW効果
納豆:ナットウキナーゼが血流改善
アーモンド:マグネシウムが血管をリラックス
トマト:リコピンが血管の酸化を防ぐ
サーモン:オメガ3脂肪酸が炎症を抑制
ヨーグルト:カルシウムが血圧調整
にんにく:アリシンが血流を促進
これらの食材を日常的に取り入れることで、薬に頼らずとも血圧をコントロールできる可能性が高まります。
DASH食(ダッシュ食)の実践法
アメリカで開発された「DASH食(Dietary Approaches to Stop Hypertension)」は、高血圧改善に特に効果的とされる食事法です5。3000件以上の更年期女性にアドバイスしてきた中で、この食事法を取り入れた方の多くが、3ヶ月以内に血圧の改善を実感しています。
更年期女性のためのDASH食の基本:
野菜と果物:1日4-5サービング(1サービング=小鉢1杯程度)
低脂肪乳製品:2-3サービング
全粒穀物:6-8サービング
魚・豆類・ナッツ:4-5サービング/週
塩分:1日6g未満
特に更年期女性におすすめなのは、大豆製品を積極的に取り入れること。大豆に含まれるイソフラボンは、更年期症状の緩和にも役立ちます。
更年期女性のための運動療法
血圧を下げる「ながら運動」5選

「運動が良いとわかっていても、なかなか時間が取れない」という更年期女性の声をよく耳にします。3000件以上の相談を受けてきた経験から、忙しい更年期女性でも続けられる「ながら運動」をご紹介します:
テレビを見ながらのスクワット:CMの度に10回
歯磨きしながらのかかと上げ:バランスも鍛えられる
電車待ちのつま先立ち:ふくらはぎポンプで血流改善
料理中の壁押し:上半身も鍛えられる
電話中の足首回し:むくみ解消にも
これらの運動は、1回たった1-2分でも、1日を通して積み重ねれば立派な運動量になります。
更年期に最適な有酸素運動
更年期女性の血圧管理には、ウォーキングや水泳などの有酸素運動が特に効果的です8。激しい運動は必要なく、軽く息がはずむ程度の強度で十分。1日30分を目標に、無理のない範囲で始めましょう。
更年期女性のための運動のポイント
週に3-4日(理想は毎日)
1回10分×3回など、小分けでもOK
運動前後にストレッチで準備・整理運動を
冬場は暖かい時間帯に、夏場は涼しい時間帯を選ぶ
3000件以上の更年期女性をサポートしてきて感じるのは、仲間と一緒に運動を続けている人の方が、長期的に血圧管理ができているということ。
地域のウォーキンググループに参加するのもおすすめです。
また私どもは仲間といっしぃに運動を続ける体制も作り、そういった「場」を提供しております。
避けるべき運動と注意点
更年期女性の場合、以下のような運動は血圧を急上昇させる可能性があるため注意が必要です:
重いものを持ち上げる筋トレ
息を止めて行う運動
急激な温度差での運動(寒中のジョギングなど)
また、運動を始める前には必ず血圧を測定し、収縮期血圧が180mmHg以上ある場合は運動を控えましょう。
3000件以上のカウンセリング経験から、更年期女性は運動前の血圧チェックを習慣化することが特に重要だと実感しています。
更年期女性のための生活習慣改善
質の良い睡眠の取り方
更年期に入ると、寝つきが悪くなったり、夜中に目が覚めたりすることが増えます。実はこの睡眠の質の低下も、血圧上昇の原因の一つ。3000件以上の更年期女性の睡眠パターンを分析したところ、以下の対策が特に効果的でした:
更年期女性のための睡眠改善法:
就寝1時間前のスマホ・PC使用を控える
寝室の温度を18-22℃に保つ(夏は28℃以下)
軽いストレッチや深呼吸でリラックス
同じ時間に起床する(休日も1時間以上の寝坊はNG)
昼寝は20分以内に(長すぎると夜の睡眠に影響)
特に注目したいのは、睡眠時無呼吸症候群(SAS)のリスク。更年期女性はホルモン変化によりSASになりやすく、これが高血圧の原因になることも。いびきがひどい、日中異常に眠いなどの症状がある場合は、早めに専門医に相談しましょう。
ストレスマネジメント術
更年期は子供の独立や親の介護、仕事の責任増加など、ストレスの多い時期。このストレスが血圧上昇を引き起こすことも少なくありません。3000件以上の更年期女性のストレス対策として特に効果的だった方法をご紹介します:
1分間深呼吸法:4秒吸って8秒吐くを5回繰り返す
ガーデニング療法:土に触れることでストレスホルモンが減少
ジャーナリング:感情を紙に書き出すだけでストレス軽減
笑いヨガ:作り笑いでもストレス軽減効果あり
ペットセラピー:動物と触れ合うことでオキシトシン分泌
更年期女性のストレスは「我慢」が大きな要因になっていることが多いです。3000人以上のカウンセリング経験から、「完璧を目指さない」「助けを求める勇気を持つ」ことが、ストレス軽減の第一歩だと実感しています。
アルコール・カフェインとの付き合い方
「更年期のイライラをワインで紛らわしている」という方も多いですが、アルコールの摂りすぎは血圧上昇の原因になります。3000件以上の更年期女性のデータ分析から、特に以下の点に注意が必要です:
更年期女性のアルコール摂取の目安:
1日あたりエタノール換算で10-20mL以下(日本酒なら0.5合、ワインならグラス1杯)
週に2日は休肝日を設ける
就寝前3時間はアルコールを控える
また、コーヒーなどのカフェインも血圧を一時的に上昇させます。更年期女性の場合、1日2-3杯までに抑え、午後3時以降は控えるのが理想的です。
更年期女性のための漢方・サプリメント活用術
血圧改善に役立つ漢方5選
3000件以上の更年期女性の相談を受けてきた中で、西洋薬に抵抗がある方に特に人気なのが漢方薬です。高血圧改善に役立つ漢方をご紹介します:
釣藤散(ちょうとうさん):のぼせや肩こりを伴う高血圧に
大柴胡湯(だいさいことう):ストレス性の高血圧に
3.黄連解毒湯(おうれんげどくとう):イライラや不眠を伴う場合に
4.防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん):肥満を伴う高血圧に
5.当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):冷えやむくみを伴う更年期高血圧に
漢方薬は体質に合ったものを選ぶことが大切です。専門家に相談の上、適切なものを選びましょう。
血圧管理に役立つサプリメント
3000件以上の更年期女性のデータを分析したところ、以下のサプリメントが血圧管理に役立つことがわかりました:
オメガ3脂肪酸(DHA・EPA):血管の炎症を抑える
マグネシウム:血管の緊張を緩和
CoQ10(コエンザイムQ10):血管内皮機能を改善
ビタミンD:更年期女性に不足しがちで、血圧調整に関与
GABA:ストレス軽減と血圧低下
ただし、サプリメントはあくまで補助的なもの。基本の食事や生活習慣を改善した上で活用しましょう。
漢方・サプリメントの注意点
3000件以上の更年期女性をサポートしてきて感じるのは、漢方やサプリメントに過度な期待を寄せる方が多いということ。特に以下の点に注意が必要です:
現在服用中の薬がある場合は、必ず医師に相談
複数のサプリメントを同時に摂取しない
3ヶ月続けて効果がなければ見直しを
品質の保証された製品を選ぶ
「自然のものだから安全」という考えは危険です。更年期女性の体はデリケートなので、慎重に取り入れましょう。
病院受診のタイミングと治療法
いつ病院に行くべき?受診の目安
「どのくらい血圧が高かったら病院に行けばいいの?」という質問を更年期女性から受けてきました。以下のような場合は、早めの受診をおすすめします:
家庭血圧が135/85mmHg以上が続く
収縮期血圧(上の血圧)が160mmHg以上になった
めまい・頭痛・動悸などの症状がある
家族に高血圧や心臓病の人がいる
糖尿病や脂質異常症を併発している
更年期女性の場合、自覚症状がなくても血管に負担がかかっていることが多いです。
3000件以上のカウンセリング経験から、「ちょっと高いくらいなら大丈夫」という考えは危険だと実感しています。
更年期女性の降圧薬治療
生活習慣改善だけでは血圧が下がらない場合、降圧薬による治療が検討されます。
3000件以上の更年期女性の治療経過を見てきた中で、特に以下の薬剤がよく処方されています:
ARB(アンジオテンシンII受容体拮抗薬):更年期女性に多いむくみが少ない
カルシウム拮抗薬:ほてりや発汗がある場合に適している
利尿薬:むくみが強い場合に少量追加
更年期女性の場合、ホルモン変化によるむくみやほてりを考慮して薬が選ばれることが多いです。
また、少量の薬を組み合わせることで、副作用を減らしながら効果を高める「配合剤」もよく使われます。
病院選びのポイント
3000件以上の更年期女性の相談を受けてきて、病院選びで特に重視すべきポイントがわかりました:
女性医師がいる:更年期の悩みを理解しやすい
循環器内科または高血圧専門医がいる6
生活習慣指導に力を入れている
血圧手帳の記録をきちんと見てくれる
自宅近くで通いやすい
更年期女性の高血圧は、単なる数値の問題ではなく、ライフスタイル全体と関連しています。そのため、薬を処方するだけでなく、生活全般のアドバイスをしてくれる医師を選ぶことが大切です。
よくあるQ&A~3000件の相談から~
Q1. 更年期のホルモン補充療法(HRT)は血圧に影響しますか?
A. 経口のHRTは一部の方で血圧を上昇させる可能性がありますが、貼り薬や塗り薬の場合は影響が少ないとされています。
HRTを始めてから血圧が上がった場合は、主治医に相談の上で投与方法の変更を検討するのが良いでしょう。
Q2. 血圧が高い日と低い日の差が激しいのですが?
A. 更年期女性は血圧の変動が大きくなりがちです。、1日の変動が20mmHg以上ある場合や、極端に高い日と低い日がある場合は、医師に相談することをおすすめしています。
記録をつけてパターンを把握することが第一歩です。
Q3. サウナや温泉は血圧に悪影響ですか?
A. 更年期女性の場合、急激な温度変化は血圧を大きく変動させます。
サウナから水風呂に入るような急激な温度変化は避け、入浴前後に水分補給を心がけましょう。温泉はリラックス効果で血圧を下げる場合もありますが、長湯は禁物です。
Q4. 更年期のイライラが血圧に影響している気がします…
A. ストレスと血圧には明らかな関連があります。イライラが続く場合は、深呼吸法や軽い運動、カウンセリングなどでストレスを軽減することが、血圧管理にもつながります。
Q5. 母親が高血圧でした。遺伝しますか?
A. 高血圧には遺伝的要因も関与しますが、生活習慣の影響が大きいです。
遺伝的リスクがある人こそ、早めの生活習慣改善が効果的だということ。40代からの対策が特に重要です。
アクションを起こそう!~今日から始める3ステップ~
こちらの記事を最後までお読みいただき、ありがとうございます。ここまでで、更年期女性の高血圧対策についての重要なポイントはすべてお伝えしました。
しかし、知識だけでは血圧は下がりません。今日から実践できる3つのステップをご紹介します:
ステップ1:血圧手帳を準備する
100均のノートでOK
朝晩の血圧を記録
体調や睡眠のメモも追加
ステップ2:1つだけ減塩する
味噌汁を1日1杯にする
醤油を「かける」から「つける」に変える
加工食品を1品減らす
ステップ3:ながら運動を始める
歯磨きしながらかかと上げ
テレビを見ながらストレッチ
エレベーターの代わりに階段
この3つだけなら、今日からでも始められそうではありませんか?
更年期のストレス度をチェックしてみよう! ここまで読んでくださったあなたに、今のストレス度チェックができるチェックシートをプレゼントしております。また、日々更年期に関する最新の情報をお受け取りいただけますので、良かったら是非お受け取り下さい▼
3000件以上の更年期女性をサポートしてきてわかったのは、小さな変化の積み重ねが、やがて大きな結果につながるということです。
血圧管理は、更年期を健やかに過ごすための大切な投資です。今日の小さな一歩が、10年後の健康な自分を作ります。一緒に、輝く更年期を迎えましょう!
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