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執筆者の写真高本 玲代

更年期 ホルモン 治療 のデメリットとメリット 

更新日:10月10日



更年期のホルモン治療について、メリットデメリットを事前に知っておくのはとても役に立ちます。


更年期女性から年間500件以上のご相談を受ける高本が、今日はそんなお話をさせていただきます。


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更年期のホルモン治療とは



更年期は、女性の卵巣の機能が低下し、女性ホルモンの分泌が減少する時期です。


更年期になると、ホルモンバランスの乱れによって、さまざまな不調が起こります。

更年期障害の症状には、以下のようなものがあります。


・ホットフラッシュ(のぼせ、ほてり、発汗)

・動悸、息切れ

・頭痛、めまい

・肩こり、腰痛

・イライラ、不安感

・不眠

・膣の乾燥、性交痛

・骨粗しょう症


更年期障害の治療で最も効果的なのが、ホルモン補充療法(HRT)です。これをいわゆるホルモン治療と呼んでいます。


HRTは、不足した女性ホルモンを補充することで、更年期障害の症状を改善します。


HRTには、エストロゲン単独療法とエストロゲン・プロゲステロン併用療法の2種類があります。


エストロゲン単独療法は、子宮を摘出している女性に適しています。


エストロゲン・プロゲステロン併用療法は、子宮を残している女性に適しています。


また、内服薬と経皮吸収材とがあります。


それぞれ下記の通りになります


<内服薬>


1)卵胞ホルモン(エストロゲン)製剤

2)黄体ホルモン(プロゲストーゲン)製剤

3)エストロゲン・黄体ホルモン配合剤


<経皮吸収剤>


1)エストロゲン貼付剤(パッチ剤)

2)エストロゲン塗布剤(ジェル剤)

3)エストロゲン・黄体ホルモン配合剤(パッチ剤)


 飲み薬のかわりに、貼付剤といっておなかに貼り付けて皮膚から吸収するパッチ剤や、ジェル剤といって皮膚にすりこむゼリー状の薬もあります。


直接皮膚から吸収されますので、肝臓で代謝を受けにくく、また胃腸の調子に左右されずに体内に吸収されます。


皮膚アレルギーのある方や、アルコールでかぶれやすい方は産婦人科医にご相談ください。


 HRTの効果には個人差があり、人によって薬の種類や服用量がちがいます。産婦人科の主治医と相談して、自分に合った治療方法を受けましょう。


更年期のホルモン治療のメリット



更年期障害のホルモン治療は、以下のメリットがあります。


  • 更年期障害の症状を改善する効果が高い


また副次的なメリットとして下記のようなものが期待されています。


1. 骨粗しょう症の予防や改善


更年期になると、女性ホルモンの分泌が減少することで、骨量が減少し、骨粗しょう症のリスクが高まります。


更年期のホルモン治療では、エストロゲンを補充することで、骨量の減少を抑え、骨粗しょう症の予防や改善に役立ちます。


2. 認知機能の維持


更年期になると、認知機能の低下が進むという研究結果もあります。更年期のホルモン治療では、エストロゲンを補充することで、認知機能の低下を抑え、認知症のリスクを軽減する効果が期待されています。


3. 心臓病や脳卒中の予防


更年期になると、心臓病や脳卒中のリスクが高まります。更年期のホルモン治療では、エストロゲンを補充することで、心臓病や脳卒中のリスクを軽減する効果が期待されています。


4. うつ病の予防や改善


更年期になると、うつ病のリスクが高まります。更年期のホルモン治療では、エストロゲンを補充することで、うつ病の予防や改善に役立つ可能性があります。


5. 肌の質感や弾力の向上


更年期になると、肌の質感や弾力が低下することがあります。更年期のホルモン治療では、エストロゲンを補充することで、肌の質感や弾力の向上に役立つ可能性があります。


ただし、2.~5.のために処方されるものではありません。あくまで更年期障害の治療に処方されるものであり、副次的な効果として考えられるものになります。


更年期のホルモン治療のデメリット



・副作用がある

・服用できない人がいる


主な副作用は、不正出血、乳房の痛み、頭痛、吐き気、むくみなど


HRTの副作用は、使用する薬剤によって異なります。しかし、ほとんどの副作用は、体に慣れてくると1〜2ヶ月程度で治まります。


これらの副作用は、薬の量や頻度を調整することで改善することができます。


また、不正出血が気になる場合は、薬の種類を変えることで、出血を抑えることができますから、是非主治医にご相談なさってください。


更年期ホルモン治療ができない人とは


乳がん、子宮体がん、血栓症にかかってる人、過去にかかっていた人は原則としてHRTを受けられません。


ヘビースモーカーの人も血栓ができやすくなるため受けることはできません。


また子宮筋腫、糖尿病、高血圧、肝機能・腎機能障害、胆のう疾患がある場合には、投与方法や投与量を工夫しながら行われます。



更年期のホルモン治療を受けれる場所は


婦人科になりますが、全ての婦人科が対応できるとは限りません。更年期外来をやっている医師を探し、事前にホルモン治療の対応をしているか確認の上受信することをおススメいたします


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