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執筆者の写真高本 玲代

【医師にインタビュー】更年期終わりのサイン

更新日:10月11日



更年期で辛さを感じておられる方には「いつ終わるのですか?」「更年期の終わりのサインは?」「終わったというのはどんな感じ?」と良く聞かれます。


更年期には終わりのサインはないのですが、正しく対処していくと早く終わらせることはできます。


また終わった人の体験談から、更年期の終わりがどんなだったかは知ることができます。


NHKあさイチ、フォーブスジャパンでも取り上げられた更年期のメンタルケアプログラムを提供する「よりそる」代表の筆者が7人の終わった人の体験談も含めてご回答させていただきます。


こちらはYoutubeでもお話しさせていただいているので、画像をクリックして聞いてください





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<目次>












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閉経は更年期の終わりのサインなのか?


閉経したら更年期は終わりだと思っている方が案外多いのですが、実はこれは正しくはありません。


あなたはそもそも「更年期」と「更年期障害」の違いや、「更年期の期間」をご存じでしょうか?



更年期とは 更年期障害とは 更年期の期間とは


閉経前の5年間と閉経後の5年間とを併せた10年間を「更年期」といいます。更年期に現れるさまざまな症状の中で他の病気ではない、とされたものを「更年期症状」といい、その中でも症状が重く日常生活に支障を来す状態を「更年期障害」と言います。






更年期障害の主な原因は女性ホルモン(エストロゲン)が大きくゆらぎながら低下していくことですが、その上に加齢などの身体的因子、成育歴や性格などの心理的因子、職場や家庭における人間関係などの社会的因子が複合的に関与することで発症すると考えられています。


更年期の期間は一般的に10年と言われていますが、いわゆる「更年期症状」が出ている期間は本当に人それぞれです。


10年間丸々苦しめられる人もいますが、更年期障害を経験せずに閉経後も元気な方がおられるのも事実です。

それほど「個人差が大きい」ということを知ってください。


しかし、平均的なデータから更年期の平均的な終わりの時期がいつごろかは知ることができます。


実際の閉経のデータ




上記を見ればわかるとおり、50歳ごろが閉経のピークとなっています。しかし、若い方では30代、遅い方では60近くで閉経しているのです。


閉経のタイミングだけで25年近くの差があることを考えると、初潮以上に個人差が大きいことがわかります。


しかし、一番多いのは50歳の閉経ですから、おおむね50代後半くらいから症状が落ち着いてくる人が多いとされています。


閉経が早い人、遅い人の特徴とは


こちらは



という記事にまとめておりますので上記リンクからチェックしてみてください。


更年期に出てくる主な症状と治療方法




ほてり、のぼせ、ホットフラッシュ、発汗などの血管拡張と放熱に関する症状

めまい、動悸、頭痛、肩こり、関節の痛み、冷え、しびれ、疲労感などの身体症状

落ち込みやイライラ、情緒不安定や不眠などの精神症状

などがあげられます。


より細かな内容は更年期の症状についてはリンクでもご説明しています。


また更年期の治療方法、それぞれのメリット・デメリットはリンクでご説明しています。


どれくらいの人が更年期障害を経験しているか



厚生労働省の5000人に対して調査をしたところ、


40代女性の28.3%が更年期障害の可能性がある

50代女性の38.3%が更年期障害の可能性がある

との結果を発表しました。


つまり40代、50代の女性の約3割~4割が更年期障害を経験しているということになります。そう考えると、とても身近な話になりますよね。


もしかしたら周りに自分と同じような辛い思いをしている人はいないかも、と思っている方でも案外探してみるとそういった方がいる可能性はあります。


実際更年期の無料掲示板を運営していますが、多くの方が悩みを投稿されています。



更年期の症状を和らげるために大事なこと


更年期障害を軽くする方法はリンクでお伝えしてますので、是非ご参考になさってください。

閉経後・更年期後に出やすい病気



閉経後は女性ホルモン(エストロゲン)の分泌がなくなり、今まで女性ホルモンの作用で保護されていたものがなくなります。


そちらに伴い男性に多いとされていた成人病などのリスクが女性でも上昇する形になります。これはポスト更年期前の閉経後からリスクが上昇します。


特に割合が増えると言われているのは


内臓脂肪の増加

脂質異常症

糖尿病予備軍

高血圧症

動脈硬化

心筋梗塞

脳梗塞

骨粗鬆症

骨粗鬆症に伴う骨折(大腿骨頸部骨折や腰椎骨折)

膣の萎縮に伴う乾燥・かゆみ・におい・性交痛・尿漏れ・頻尿の可能性

であり、ケアが必要になってきます。


更年期後のケアに必要なこと



基本的なことですが、生活習慣病に近いものが多いので、食事・運動・睡眠など基本的な生活を整えていくことが大切になってきます。


食事に関しては


1.1日3食規則正しく食べる

2.適正なカロリーの食事を摂る

3.塩分は控えめにする

4.コレステロールの多い食品は控える

といったことになります。


骨粗鬆症対策には厚生労働省のe-ヘルスネットによれば


カルシウムの摂取とビタミンDを体内で合成するために必要な日光浴に加えて、ウォーキングや筋力トレーニングなど、骨に刺激が加わる運動が推奨されます。

運動に関しては、更年期世代向けにおススメの運動をお伝えしている記事が、更年期以降も活用できますし、運動を長く続けるコツも記載してますので、是非リンクをご参照ください。


また、更年期以降の不眠は、運動が大切になってきます。不眠対策としても運動を始めてください。


更年期障害の終わりのサインとは



実は更年期の終わりのサインとはとても曖昧です。〇〇が起こったから確実に更年期が終わった、という基準はないと医師もいいます。


しかし、閉経から5年経過すると次第に更年期の症状が穏やかになり、これまで出てきていた心身の不調が落ち着いてくる、といった意見が多いです。


更年期の終わりのサインに関する7人の体験談



今回は、参考までに5人の体験者のお話をこちらでご紹介させていただきます。


体験談1.~天野恵子先生~



女性医療のパイオニアともいわれ、NHKのプロフェッショナルにも出演された天野恵子先生。ご自身の更年期の経験から女性医療を立ち上げ今も
難治性の更年期でお悩みの女性の治療に当たられてます。

2021年の12月に天野先生に実はインタビューする機会があったのですが、その時更年期はある日突然終わったとのこと。

そう言えば最近不調がないなぁと思ったら更年期を抜ける年になっていたとのことで、後から思えばその時に終わったんだなと思われたそうです。


体験談2.~筆者の母親の経験談~



うちの母は教師をしており、更年期の時期は高校の進路主任をしていました。自分の母親の介護、単身赴任の父の様子をたまに見に行ったり子育てをしたりと大忙しでしたが、ホットフラッシュや不眠、耳鳴りに悩まされたとのこと。

母の最期の月経は62歳だったそうです。母も天野先生と同じようにいつの間にか更年期は終わっていた、ということでした。

ただ、更年期に始まった耳鳴りを放置したことで70代で難聴になり補聴器をつけています。

耳鳴りはストレスや自律神経の乱れで始まることも多いですが、難聴につながることもあるので必ず早めに耳鼻科を受診しましょう。


体験談3:嫌で嫌でしょうがなかった夫が気にならなくなった



更年期の時はイライラの原因となっていた夫でしたが、更年期が抜けたかな?と思う頃からあまり気にならなくなりました。

今ではなんであんなに嫌でたまらなかったのかわかりません。もしかしたら体調が悪すぎたのと、その不調をなかなか理解されない辛さが背景にあったのかもしれません


体験談4:子供に指摘されて、更年期が終わったのだと気づいた



自分では気づいていなかったのですが、ある時娘に「お母さん穏やかになったね」「前は一緒にいるのが苦痛だった」と言われました。

娘にそんなにつらい思いをさせていたとは気づきませんでした。

更年期でそんなに家族にも影響があるのだと思いました。

体験談5:自分自身を見つめ直すきっかけになった



更年期には、身体的な変化だけでなく、心理的な変化も伴います。私は更年期中に自分自身を見つめ直す機会を得ました。自分自身のライフスタイルを見直し、健康的な食生活や運動習慣を取り入れることができました。そうすることで少しずつ体調がよくなっていきました。

体験談6:子育てに集中できるように



私は更年期を迎える前に子育てをしていましたが、更年期中は体調不良などで精神的に疲れていたため、子育てに集中できなかったことがありました。

しかし、更年期が終わった後は、子育てに再び集中できるようになりました。今は子供たちと一緒に楽しい時間を過ごせるようになりました。受診や日常生活を整える中で少しずつ体調は良くなってきた感じです。40代で不調は抜けられました。


体験談7:60を過ぎても更年期で発病したうつに苦しんでいる


もう更年期は終わっているだろうと言われる60を過ぎましたが、それでも心身の不調が出て、毎日波があります。

現在は心療内科にもかかっており、うつと診断されています。

更年期をきっかけにうつ病を患って、そこから長引いているので、なんとかそこから回復したいと思っています。

更年期をきっかけに症状が悪化していくものもあります。ですから、更年期が終わったからすべての苦しみから解放されるわけではない、ということも是非知っておいてください。


そのためには更年期のころからの色々な対策が必要になってきます。


更年期に鬱になる方もおられます。更年期うつの体験談や更年期に鬱になる方の共通点についてはリンクでお伝えしています。


閉経が早いメリットとデメリット



閉経が早い人・遅い人の特徴はこちらのリンクからお伝えしていますので、ご興味がある方はご覧になってください。


閉経が早ければ月経に伴う不快症状から解放されますし、温泉やプールなどの予定も立てやすくなります。また月経に伴い色々準備しなければならないナプキンや痛み止めの準備も不要になってくるでしょう。


他方、閉経が早いとそれだけ早く成人病や骨粗鬆症のリスクが出ると言えるでしょう。ですから、閉経を迎えた場合はきちんと運動やカルシウム、ビタミンDなどを補うことで対策をしていきましょう。


閉経が遅いメリットとデメリット



閉経が遅いということは、それだけ女性ホルモンの作用が働くということになります。女性ホルモンは保湿効果や血管を若く保つ効果などがありますから、そういったメリットが享受できます。アンチエイジングという意味では期待できるかもしれません。


デメリットとしては長い期間月経と向き合わなくてはいけない、という点にあります。月経が多くて困っている方は更年期 生理ドバドバの過多月経でミレーナを入れた体験ブログ

をご覧になって対処法を読んでみてください。



閉経後や更年期後の症状を和らげるには





更年期は閉経をはさんだ全10年間ですが、辛い更年期を乗り越えるための方法はこちらのリンクででまとめています。


また、更年期は「今の不調」をなんとかするとともに、閉経後の体調も見据えた生活習慣のシフトが必要になってきます。


更年期以降の健康に関して「フレイル(虚弱)」という考えが注目されるようになってきました。フレイルとは、「加齢によってカラダと心の働きが弱くなってきた状態」です。

加齢が進み、カラダと心の働きが一定以上低下すると、日常生活を自力で送ることができなくなり要介護状態になります。その前段階がフレイルです。


先ほどの体験談の1つにあったように、更年期にうまく対応しなければ難聴になってしまうなど当時の不調を放置したり、生活習慣を変えずにいることで一気に体が老化してしまうことがあります。


自分の体の声に耳を傾けて、都度受診をしたりケアをしていくことが大切になります。


更年期後はより自分の体の声に耳を傾けながら体に良い食事や運動、睡眠をきちんととるなど生活を整えていきましょう。また趣味を楽しんだり人とコミュニケーションをとることも大事になってきます。


終わりが見えない更年期が辛い方へ


他方、不調になっても一人で抱え込むとストレスもたまります。また将来のことをやみくもに不安に感じてしまってもつらくなります。


そういった方のために不定期で無料WEB講習会を実施しております。


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