更年期に眠いのはなぜ?原因と今日からできる対策法【専門家監修】
- 高本 玲代
- 2023年7月19日
- 読了時間: 6分
更新日:4月17日

「昼間も眠くて仕方がない…」
「しっかり寝たはずなのに、朝から疲れが取れない」
「この眠気、いつまで続くの?」
更年期に入ってから、こんな眠気に悩まされていませんか?
実は、更年期女性の約60%が眠気や倦怠感を経験しています。この眠気はただの疲れではなく、ホルモンバランスの変化が大きく関係しているのです。
本記事では、更年期の眠気の原因から、今日から実践できる具体的な対策法までを徹底解説。薬に頼らない生活改善法や、専門家が推奨する睡眠の質を上げるテクニック、更年期の眠気と間違いやすい病気の見分け方まで、あなたの「眠い」を解決する情報をお届けします。
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更年期の眠気には、主に以下の3つの原因が考えられます。
1. エストロゲン減少による睡眠の質の低下
女性ホルモンであるエストロゲンには、睡眠を促すメラトニンの分泌を調整する働きがあります。
更年期に入りエストロゲンが減少すると、このバランスが崩れ、以下のような問題が生じます。
・深い睡眠(ノンレム睡眠)が減る・中途覚醒が増える・早朝覚醒しやすくなる
「寝ているはずなのに疲れが取れない」と感じるのは、睡眠の質が低下している証拠です。

更年期には卵巣の機能が徐々に低下し、エストロゲン(女性ホルモン)の分泌量が減少します。これによって、以下のようなメカニズムが関与して眠気が生じる可能性があります。
①ホットフラッシュ(ほてり):
更年期の女性は、ホルモンの変動によって血管が拡張し、体温が上昇するホットフラッシュを経験することがあります。これは、睡眠中に発生する場合もあり、体温の変化や不快感が眠りを妨げることがあります。
②セロトニンの減少
女性ホルモンの一つ、 エストロゲンは、セロトニンと呼ばれる神経伝達物質のバランスにも関与しています。
セロトニンは、睡眠調節に重要な役割を果たしています。エストロゲンの減少により、セロトニンのレベルが変動し、睡眠の質が低下することがあります。
2.自律神経の乱れによる日中の眠気

加齢により自律神経が乱れやすくなることが分かっています。
画像の通り、自律神経のパワーは50代では10代の1/3にまで低下しています。そのため自律神経が乱れやすくなり、夜熟睡できなくなることが考えられます。

Source: 東京疲労・睡眠クリニック
更年期には、自律神経の調節機能が乱れやすくなります。特に、交感神経と副交感神経の切り替えがスムーズにいかなくなることで、日中に強い眠気を感じることがあります。
「午後に突然眠気に襲われる」「会議中など緊張すべき場面でも眠くなる」
このような症状は、自律神経のバランスが崩れているサインかもしれません。
3. 夜間のホットフラッシュによる睡眠妨害
更年期の代表的な症状であるホットフラッシュは、夜間に起こると睡眠を大きく妨げます。
・寝汗で目が覚める・ほてりで寝つきが悪い・何度も着替えることで睡眠が分断される
このような状況が続くと、睡眠不足が慢性化し、日中の眠気につながります。
今日から始められる!更年期の眠気対策7選

1. 体温リズムを整える「朝の光浴」
起床後1時間以内に15分程度日光を浴びることで、体内時計がリセットされます。これにより、夜のメラトニン分泌が促進され、自然な眠りにつながります。
<実践ポイント>
・カーテンを開けて朝日を取り入れる
・朝食は窓際でとる
・曇りの日でも効果があるので継続を
2. 就寝3時間前の「温活ルーティン」

更年期女性に特におすすめなのが、就寝前の体温調整です。
【理想的な体温変化】
18:00 軽いストレッチ
20:00 38-40℃のぬるめ入浴
21:00 手足がポカポカする状態で就寝
このリズムを作ることで、深部体温が下がりやすくなり、質の高い睡眠が得られます。
3. 食事で改善!眠気軽減メニュー
<積極的に取りたい栄養素>
・トリプトファン(豆腐、納豆、バナナ)
・マグネシウム(アーモンド、ひじき)
・ビタミンB6(サンマ、カツオ)
<避けたい食べ物>
・カフェイン(午後2時以降)
・アルコール(睡眠の質を低下)
・高脂肪食(消化にエネルギーを使う)
4. 日中にできる「5分リフレッシュ法」
午後の眠気対策として効果的なのが、短時間のリフレッシュです。
・ツボ押し(百会、合谷)
・ガムを噛む(咀嚼で脳を覚醒)
・冷たいタオルで首元を拭く
5. 寝室環境の最適化

更年期の睡眠に適した環境を作りましょう。
・室温:18-22℃(ホットフラッシュ対策)
・湿度:50-60%
・寝具:吸湿発散性の高い素材
・照明:暖色系の間接照明
6. ストレスマネジメントテクニック
更年期のストレスは睡眠の大敵です。簡単にできる方法をご紹介します。
【4-7-8呼吸法】
4秒かけて鼻から吸う
7秒息を止める
8秒かけて口から吐くこれを4回繰り返す
7. 漢方の活用

更年期の眠気におすすめの漢方:
・加味逍遙散(かみしょうようさん):イライラやのぼせに
・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん):血行改善に
・酸棗仁湯(さんそうにんとう):不眠改善に
※漢方は体質に合うものを専門家に相談して選びましょう
更年期の眠気と間違いやすい病気
更年期だと思っていた眠気が、実は他の病気のサインである場合もあります。
特に注意したい病気を紹介します。
睡眠時無呼吸症候群
更年期以降の女性にも増える病気です。
<チェックリスト>
□ いびきをかく
□ 夜中に何度も目が覚める
□ 起床時に頭痛がする
□ 日中に強い眠気がある
甲状腺機能低下症
甲状腺ホルモンの減少により、眠気やだるさが現れます。
<特徴的な症状>
・体重増加
・寒がりになる
・皮膚の乾燥
・むくみ
うつ病
更年期はうつ症状が出やすい時期です。
<更年期うつの特徴>
・趣味に興味が持てない
・自分を責める傾向が強い
・朝方が特に調子が悪い
「ただの更年期症状」と放置せず、気になる症状があれば早めに専門医に相談しましょう。
専門家が答える!更年期の眠気Q&A

Q. 更年期の眠気はいつまで続きますか?
A. 個人差がありますが、更年期症状としての眠気は、ホルモンバランスが安定する閉経後5年程度で落ち着くことが多いです。
ただし、睡眠習慣が乱れたままでは症状が長引く場合もあります。
Q. サプリメントで改善しますか?
A. エストロゲン様作用のあるイソフラボンや、睡眠の質を上げるグリシンを含むサプリメントが有効な場合があります。ただし、薬との相互作用に注意が必要です。
Q. 運動は逆効果ではありませんか?
A. 適度な運動は睡眠の質を高めます。夕方に30分程度のウォーキングや、ヨガなどの軽い運動がおすすめです。
激しい運動は逆効果になるので注意しましょう。
まとめ:更年期の眠気と上手に付き合うために
更年期の眠気は、ホルモンバランスの変化による自然な現象です。ご紹介した対策法の中から、まずは1つでも実践してみてください。
特に「朝の光浴」と「就寝前の温活」は今日から始められる簡単な方法です。
「全てを完璧に」ではなく、「これなら続けられそう」という方法を見つけることが大切です。
更年期の眠気は永遠に続くものではありません。正しい知識と対策で、この時期を乗り越えましょう。
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